国鉄チキ3000形貨車
国鉄チキ3000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 長物車 |
運用者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
所有者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造、川崎車輛 |
製造年 | 1943年(昭和18年) - 1945年(昭和20年) |
製造数 | 632 ?両 |
消滅 | 1986年(昭和61年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,600 mm |
全幅 | 2,640 mm |
全高 | 2,945 mm |
荷重 | 35 t |
自重 | 14.6 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR20 |
台車中心間距離 | 9,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
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国鉄チキ3000形貨車(こくてつチキ3000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した長物車である。本稿では、姉妹形式であるチキ4000形およびチキ2600形についても記述する。
チキ3000形
チキ3000形は、1943年(昭和18年)から1945年(昭和20年)にかけて、日本車輌製造および川崎車輛において632両が製造された、35 t 積二軸ボギー長物車である。番号は欠番があり、チキ3000 - チキ3271, チキ3290 - チキ3639, チキ3800 - チキ3809となっているが、チキ3640 - チキ3647が存在し、総数は640両であったとする説もある。
従来、鉄道省では有事の際の軍用車両輸送用として、鋳鋼製の高速台車TR24を装備した最高速度85 km/hのチキ1500形を量産していたが、戦時設計として資材節約と製作の合理化を図るため、床を鋼板製から木製に、台車を簡易な構造のアーチバー台車TR20に変更したのが、本形式である。また、側面の柵柱受けの数を片側12か所から8か所に減ずるとともに、戦車等の重量品の積載のため、台枠の横梁を1本多い9本としている。荷台の長さは鉄道省標準の12,800 mm、幅は2,300 mmでチキ1500形と同等であり、基本構造は1942年(昭和17年)に製造されたトキ10形無蓋車と共通である。床板の厚さは60 mmで、荷摺り木は12本設けられている。全長は13,600 mm、最大幅は2,640 mm、最大高は2,940 mmである。台車の変更にともなって、台車中心間距離は前々級のチキ1000形と同じ9,500 mmに戻り、最高速度も75 km/hとなった。台車間の台枠中梁は高さを増した魚腹型である。自重は14.6tで、換算両数は積車4.0、空車1.4。
戦後は、標準タイプの長物車として全国で運用された。1968年(昭和43年)10月1日国鉄ダイヤ改正までは600両以上が在籍していたが、以降は廃車が進み、レール輸送用、操重車の控車、貨車移動機の運搬用でも使用された。形式消滅は1986年(昭和61年)である。
譲渡
1950年(昭和25年)12月26日、1両(チキ3483)が三井芦別鉄道に譲渡され、チキ1となった。
チキ4000形
国鉄チキ4000形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 長物車 |
運用者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
所有者 | 鉄道省 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
製造年 | 1943年(昭和18年) - 1945年(昭和20年) |
製造数 | 165 ?両 |
消滅 | 1986年(昭和61年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,600 mm |
全幅 | 2,640 mm |
全高 | 2,945 mm |
荷重 | 35 t |
自重 | 14.2 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.4 |
台車 | TR20 |
車輪径 | 860 mm |
台車中心間距離 | 9,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
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チキ4000形は、1943年(昭和18年)から1945年(昭和20年)にかけて165両(169両とする説もあり)が製造された、35 t 積二軸ボギー長物車である。番号に欠番があり、チキ4000 - チキ4070, チキ4200 - チキ4274, チキ4420 - チキ4468とされるが、この中にも30両程度の欠番が存在する。
本形式も戦時設計車で、チキ3000形とは車軸が短軸(チキ3000形は長軸)である点が異なるのみで、形態や性能は同一である。自重は14.2tで、換算両数は積車4.0、空車1.4。
戦後は、標準タイプの長物車として姉妹形式とともにて全国で運用された。形式消滅は1986年(昭和61年)である。
改造
ヤ350形
1968年(昭和43年)に1両が川崎車輛にてチキ4000形より改造され形式名はヤ350形と定められたロングレール輸送車である。
ヤ300形(2両)とユニットを組んでヤ300形の動力ステーションとして運用された。160 PSディーゼルエンジンを装備し油圧ポンプ、交流発電機より得られる動力が活用された。
車体塗色は黒で、1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正では高速化不適格車とされて最高速度65 km/hの指定車となり、識別のため記号に「ロ」が追加され「ロヤ」となり黄1号の帯を巻いた。
1979年(昭和54年)に廃車となり形式消滅した。
チキ2600形
国鉄チキ2600形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | 長物車 |
運用者 | 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
所有者 | 運輸通信省 運輸省 日本国有鉄道 |
製造年 | 1945年(昭和20年) - 1946年(昭和21年) |
製造数 | 61両 |
消滅 | 1981年(昭和56年) |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 13,600 mm |
全幅 | 2,640 mm |
全高 | 2,950 mm |
荷重 | 35 t |
自重 | 15.8 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR24 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,900 mm |
台車中心間距離 | 9,270 mm |
最高速度 | 75 km/h |
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チキ2600形は、1945年(昭和20年)から1946年(昭和21年)にかけて61両(チキ2600 - チキ2660)が製造された、35 t 積二軸ボギー長物車である。チキ3000形、チキ4000形と同じ車体に、TR24台車を組み合わせたものである。台車の軸距が長い関係で、台車中心間距離はチキ1500形と同じ9,270 mmである。また、同形式とは枕ばねの種類が異なっており、最高速度は75 km/hである。自重は15.8tで、換算両数は積車4.0、空車1.6。
戦後は、姉妹形式とともに全国で運用された。形式消滅は1981年(昭和56年)である。
本形式の後、汎用長物車の増備置き換えは、しばらくの間改造で賄われることになり、新製の汎用長物車は1975年(昭和50年)製のチキ7000形まで待つことになる。
参考文献
- 日本国有鉄道 編集「100年の国鉄車両 2」1974年、交友社刊
- 埴岡寿一「国鉄の事業用車 貨車編」『鉄道ファン』第231号、交友社、1980年7月。
- 「国鉄貨車形式図集I」1992年、鉄道史資料保存会刊
- 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊
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「チ」級 | |
「チム」級 | |
「チラ」級 | チラ1形(初代) - チラ1形(2代) - チラ30形 - チラ85形 - チラ50000形(JR北海道) |
「チサ」級 | |
「チキ」級 | チキ1形 - チキ100形(国鉄) - チキ100形(JR貨物) - チキ300形 - チキ800形 - チキ900形(国鉄) - チキ900形(JR貨物) - チキ910形 - チキ1000形 - チキ1000形(私有貨車) - チキ1300形 - チキ1500形 - チキ2500形 - チキ2600形 - チキ2700形 - チキ2800形 - チキ2900形 - チキ3000形 - チキ4000形 - チキ4500形 - チキ4700形 - チキ4800形 - チキ4900形 - チキ5000形(初代) - チキ5000形(2代) - チキ5200形 - チキ5400形(JR貨物)- チキ5450形(JR貨物) - チキ5500形(初代) - チキ5500形(2代) - チキ5500形(JR貨物) - チキ6000形 - チキ7000形 - チキ80000形(私有貨車) |
関連車両 | キヤ97系気動車・キヤE195系気動車(レール運搬車) |