レタスサンドイッチ

レタスサンドイッチ
種類 サンドイッチまたはラップ
主な材料 レタスパン(パンで挟むタイプ)
何らかの具材(レタスで巻くタイプ)
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レタスサンドイッチ: lettuce sandwich)はパンの代わりにレタスを用いたラップ風の食品を指す場合と[1]、レタスを主な具材としたサンドイッチを指す場合がある。BLTサンドイッチやトマトとレタスのサンドイッチのように、多くの具材の一つとしてレタスを用いるサンドイッチとは区別される。米国英国では古くから食べられている。文化的に「平凡」「弱さ」「貧困」のメタファーとして用いられてきたが、より近年にはレタスハンバーガーと並んで低炭水化物ダイエットのような食習慣のシンボルと見なされるようになっている[2]

米国カリフォルニア州のレストラン、オーバーン・エールハウス(英語版)が提供している上海風のレタスラップ。

歴史

1894年の The Century Illustrated Monthly Magazine(英語版)ですでにレタスサンドイッチへの言及が見られる[2]。パンでレタスを挟むレタスサンドイッチは20世紀前半の米国英国において一般的な食品で、上流階級の昼食会でも出されることがあった[3]。現在でも米国をはじめとする国々で食べられている[4][5][6]。レストランチェーンのサブウェイが提供している「ベジーデライト」はファストフード版のレタスサンドイッチの一例である[7]。英国では古風な英国料理と見なされている[8]

調理法

パンで挟むタイプ

2枚のパンバター[8]マヨネーズを塗り、レタスを挟む。

レタスで巻くタイプ

パンの代わりにレタスを使うタイプでは、何らかの具材を大きなレタスの葉で巻くか、2枚の葉で挟んで作る。米国西海岸のハンバーガーチェーン、In-N-Outはハンバーガーパティをバンズではなくレタスで包んだものを「ザ・プロテイン」「プロテイン・スタイル」という名の裏メニューとして提供している[9]。日本のモスバーガーは2004年から断続的に期間限定メニューとして「モスの菜摘」シリーズを販売している[10]

メタファー

レタスサンドイッチは英米文化の中で「人目を引かない、興味を惹かない、迫力のない、平凡なもの」を表すメタファーにもなっている[11]。この意味では「べちゃべちゃになったレタスサンドイッチ(→limp (or soggy) lettuce sandwich)という語句が使われることが多い[12]。「レタスサンドイッチを食べて暮らしている(→being on a lettuce sandwich diet)」という表現は生きるために最低限必要なもの以外を持たずにギリギリの生活を送ることを指す。レタスサンドイッチは貧困や生活苦を暗示する場合があり[13]、栄養不足を意味することもある[14]。レタスサンドイッチは粗末で味気ない食べ物だと考えられており[15]、「人生は流しで食べるレタスサンドイッチみたいじゃなくてもいいはずだ」というように失望の象徴として扱われることもある[16]

類似例

バンズの代わりにレタスを使ったサンドイッチのレシピアメリカ国外にも存在しており、たとえば日本のハンバーガーチェーン・モスバーガーはレタスで具材を挟んだ「モスの菜摘」を展開していた[17]ほか、東京都新宿区のサンドイッチ専門店「& sandwich.」も「フルレタスサンド」という同様のメニューを展開していた[18]


関連項目

脚注

  1. ^ Keeler (October 22, 2003). “The hip, hot wrap”. St. Petersburg Times. 2009年1月25日閲覧。
  2. ^ a b “An Errant Wooing”. The Century Illustrated Monthly Magazine (1895年). 2009年1月24日閲覧。
  3. ^ Pyatt (Dec 24, 1912). “Mrs. Ennis Entertains”. The Evening Independent. 2009年1月24日閲覧。
  4. ^ Schaaf (Nov 3, 1985). “Food for Thought Whatever Happened to the Plain Bread-and-Butter Sandwich?”. Los Angeles Times. August 4, 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月24日閲覧。
  5. ^ “E.coli fears after death”. BBC News (21 June 2001). 2009年1月25日閲覧。
  6. ^ “Business Profile: If at Furse you don't succeed”. The Telegraph (10 Nov 2001). 2009年1月25日閲覧。
  7. ^ Boyle (Jun 15, 1948). “Lord Drafts a Good Chef”. The Evening Independent. 2009年1月25日閲覧。
  8. ^ a b Slater (10 June 2001). “This month”. The Observer. 2009年1月24日閲覧。
  9. ^ Pomfret, John (January 30, 2006). “In Calif., Internal Lawsuits Served Up at Burger Chain”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/01/29/AR2006012901026_pf.html 2009年1月25日閲覧。 
  10. ^ “【感想あり】モスバーガーの斬新レタスバーガーの発表にネット大盛り上がり! 「フレッシュ過ぎw」「自分的にはアリ」”. Rocket News 24 (2013年4月19日). 2024年8月4日閲覧。
  11. ^ Ghosh (Dec 12, 2007). “Reporters's Notebook: Protest props beat 'Bali fatigue'”. Live Mint Lounge: The Wall Street Journal. 2009年1月24日閲覧。
  12. ^ “Rename Mermaid Quay - Tiger Bay is better”. WalesOnline.co.uk (24 July 2006). 2009年1月24日閲覧。
  13. ^ Richler, Mordecai (1996). Jacob Two-Two's First Spy Case.. Toronto, ON: Penguin Books Canada. ISBN 0-14-034609-0. http://umanitoba.ca/cm/vol3/no13/jacob22.html 
  14. ^ “Foodless and Pointless Restaurants Close Shop”. St. Petersburg Times (Jun 26, 1945). 2009年1月24日閲覧。
  15. ^ Fahey (June 13, 2001). “Portrait of the artist”. Seattle Weekly. 2009年1月24日閲覧。
  16. ^ Miller (Mar 29, 1985). “Book Offers an Escape into the Past”. The Evening Independent. 2009年1月24日閲覧。
  17. ^ “モスバーガー、レタスで具材をはさんだ「モスの菜摘」シリーズを再発売”. マイナビニュース (2014年3月11日). 2024年8月14日閲覧。
  18. ^ “「東京都のサンドイッチの名店」ランキングTOP10! 1位は「バインミー☆サンドイッチ」【2022年10月版】(1/5) | グルメ ねとらぼリサーチ”. ねとらぼリサーチ (2022年10月23日). 2024年8月14日閲覧。