ミリオン・マイルズ・アウェイ 遠き宇宙への旅路
ミリオン・マイルズ・ウェイ 遠き宇宙への旅路 | |
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A Million Miles Away | |
監督 | アレハンドロ・マルケス・アベジャ |
脚本 | ベティナ・ジロイス エルナン・ヒメネス アレハンドロ・マルケス・アベジャ |
原作 | ホセ・M・ヘルナンデス |
製作 | イーガン・ブラウニング マーク・キアルディ他 |
製作総指揮 | アンドレア・ガンボア マーク・アンソニー・リトル ベニート・マルティネス 他 |
出演者 | マイケル・ペーニャ ローサ・サラザール フリオ・セサール・セディージョ ギャレット・ディラハント |
音楽 | カミーロ・ララ |
撮影 | ダニエラ・ルドロウ |
編集 | エルヴェ・シュネイ |
製作会社 | Amazon Studios |
配給 | MGM |
公開 | 2023年9月15日 配信 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | メキシコ・ アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
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『ミリオン・マイルズ・アウェイ 遠き宇宙への旅路』(英:A Million Miles Away)は、2023年のメキシコとアメリカ合衆国合作の伝記映画。メキシコ移民の貧しい家庭で生まれ育ったホセ・モレノ・ヘルナンデスが、NASAに採用され宇宙飛行士になるまでを描く。2023年9月からアマゾン・プライム・ビデオで240ヵ国に配信された。
ストーリー
1960年代、ホセ・ヘルナンデスは小学校に通いながら両親の農業を手伝っていた。収穫期に合わせてカリフォルニア州とメキシコを行き来するので大好きな勉強もままならない。彼の夢は宇宙飛行士になることだった。
ホセの優秀な頭脳を見出した担任の先生は、ホセの自宅を訪ね彼の才能を伸ばしてやるべきだと両親を説得する。父親は先生の言葉を受け留め、長年の夢だったメキシコの一軒家を諦めて子供たちのためにカリフォルニアに定住すると決心した。
それから十数年が過ぎ、成人になったホセはパシフィック大学を卒業しローレンス・リバモア国立研究所のエンジニアとして採用された。
まずは愛車の古いシボレー・インパラが研究所の雰囲気にそぐわないので中古車店に行くが、そこに勤めるアデラと知り合いデートに誘った。しかし彼女の父親は娘とは自宅でしか会わせないと言う。厳格な父親に戸惑いながらも熱心に自宅でのデートを重ね2人は結婚した。
研究所ではラテン系の彼を見下す者も多く、用務員に間違われることもあったが、すぐに才能を発揮し同僚たちを指導する立場になった。また、宇宙飛行士になるための足掛かりとして体を鍛え、飛行機の操縦やスクーバダイビングも学び始めた。ある日上司から、ロシアで行われる高濃縮ウランの調査プロジェクトに参加しないかと誘われるのだが、それは宇宙飛行士になるためのまたとない経験だった。
一方、家庭を顧みず自分のことしか考えていない夫にアデラは苛立っていた。NASAへ送った採用願も断られ続けていた。しかしホセは子供の頃からの想いを彼女に打ち明け、彼女もそれを受け入れるのだった。アデラは次の願書を郵便ではなくNASAに直接持って行くべきだとアドバイスした。12通目の願書を持ってカリフォニア州ストックトンからヒューストンのジョンソン宇宙センターに出向くと、宇宙飛行士のフレデリック・スターカウに会い願書を手渡すことが出来た。そしてついに採用決定の手紙が届いた。
NASAに勤務すると厳しい訓練が始まった。ところが従弟のベトが会社からの帰宅途中に撃ち合いに巻き込まれ死んだという知らせが届く。すっかり気力を失った彼は訓練で遅れを取ってしまうが、なんとか克服し優秀な成績を収めるようになる。アデラは念願のメキシコ料理レストランを宇宙センターの近くに出店し、ホセも休日には店を手伝った。
2008年、選考員の面接に呼び出され、次回のSTS-128ミッションの搭乗運用技術者に選ばれたことを知らされた。いよいよ打ち上げの日、ホセはスペースシャトルに乗り込み家族が見守るなか軌道へと飛び立った。ISS国際宇宙ステーションに13日間滞在し、宇宙では妻が作ったタコスを食べ、ホセ・アルフレッド・ヒメネスの歌を聴いた。
ホセは農業労働者出身の最初の宇宙飛行士となった。引退したあとはカリフォルニアに戻って新居を構え、父親と一緒にブドウ園を経営している。
キャスト
役名 | 俳優 | 吹替 |
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ホセ・ヘルナンデス | マイケル・ペーニャ | 石上裕一 |
アデラ・ヘルナンデス (妻) | ローサ・サラザール | 潘めぐみ |
フレドリック・W・スターカウ | ギャレット・ディラハント | 木下浩之 |
ベト・ヘルナンデス(弟) | ボビー・ソト | 畠中祐 |
サルヴァドーレ・ヘルナンデス(父) | フリオ・セサール・セディージョ | 星野充昭 |
ジュリア・ヘルナンデス(母) | ベロニカ・ファルコン | |
ヤング先生 | ミシェル・クルージ | 高梨愛 |
少年時代のホセ・ヘルナンデス | ファン・パブロ・モンテルビオ | |
カルパナ・チャウラ(宇宙飛行士) | サラユー・ブルー | |
クリント・ローガン (研究所の上司) | エリック・ジョンソン | |
ホセのヘルメットを点検する技術者 | ホセ・ヘルナンデス |
実際のエピソード
- 宇宙飛行士に憧れた子供時代、兄がスタートレックのUSSエンタープライズ号の模型を持っていて、こっそり持ち出して遊んでいたという[1]。
- アデラ・マルティネスとの出会いは中古車店ではなかった。彼女が働いていたのはストックトンのメイシーズの化粧品売り場で、最初に知り合ったのはときどき買い物に行くホセの妹だった。兄と気が合いそうなので紹介しようとしたが、会わせるまでに1年もかかった[2]。
- ただ彼女の父親が厳しく自宅でデートしたというのは本当で、家に行くと必ず父親が同席していた[3]。
- アデラが経営する「ティエラルナ・メキシカングリル」は2007年5月から2011年まで開業していた。ティエラルナ ”Tierra Luna”とは地球と月のこと。
- 「最初のラテン系の宇宙飛行士」と紹介されることが多いが、それはコスタリカ出身のフランクリン・チャン=ディアスである。ホセは移民の農業従事者の家庭から初めて選ばれた宇宙飛行士。
- 2003年に起きたコロンビア号空中分解事故のあと、映画では描かれていないが事故の調査チームに参加した。
脚注
- ^ Service, Peter Larsen | San Gabriel Valley Tribune Tribune News (2023年9月12日). “Astronaut José Hernández credits California farmworker family for his success” (英語). San Diego Union-Tribune. 2023年10月1日閲覧。
- ^ Sundriyal, Diksha (2023年9月16日). “Adela Hernandez: Where is Jose Hernandez Wife Now?” (英語). The Cinemaholic. 2023年10月4日閲覧。
- ^ “Fact checking 'A Million Miles Away': How many times did NASA reject José M. Hernández?” (英語). USA TODAY. 2023年9月29日閲覧。