フェイェールの定理

数学におけるフェイェールの定理(フェイェールのていり、: Fejér's theorem)とは、ハンガリー数学者リポート・フェイェールの名にちなむ定理。f:R → C周期 2π の連続函数であるなら、そのフーリエ級数部分和の列 (sn) のチェザロ平均の列 (σn) は、[-π,π] 上一様f に収束する。

(sn) を具体的に書くと、

s n ( x ) = k = n n c k e i k x {\displaystyle s_{n}(x)=\sum _{k=-n}^{n}c_{k}e^{ikx}}

となる。ただし

c k = 1 2 π π π f ( t ) e i k t d t , {\displaystyle c_{k}={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\pi }^{\pi }f(t)e^{-ikt}dt,}

である。また (σn) は

σ n ( x ) = 1 n k = 0 n 1 s k ( x ) = 1 2 π π π f ( x t ) F n ( t ) d t , {\displaystyle \sigma _{n}(x)={\frac {1}{n}}\sum _{k=0}^{n-1}s_{k}(x)={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\pi }^{\pi }f(x-t)F_{n}(t)dt,}

であり、Fn は第 n 次のフェイェール核を表す。

より一般的な形式において、この定理は必ずしも連続でない函数に対しても応用されている (Zygmund 1968, Theorem III.3.4)。fL1(-π,π) に属するものと仮定する。f(x) の x0 における左極限および右極限 f(x0±0) が存在するか、いずれの極限も同符号の無限大であるなら、次が成り立つ:

σ n ( x 0 ) 1 2 ( f ( x 0 + 0 ) + f ( x 0 0 ) ) . {\displaystyle \sigma _{n}(x_{0})\to {\frac {1}{2}}\left(f(x_{0}+0)+f(x_{0}-0)\right).}

チェザロ平均の存在あるいは無限大への発散も、この関係式は意味している。マルツェル・リースのある定理によると、フェイエールの定理は (C, 1) 平均 σn がフーリエ級数の (C, α) 平均 に変えられても、同様に成立する。

参考文献

  • Zygmund, Antoni (1968), Trigonometric series (2nd ed.), Cambridge University Press (1988発行), ISBN 978-0-521-35885-9 .