ジメチル亜鉛

ジメチル亜鉛
Dimethylzinc

dimethylzinc

識別情報
CAS登録番号 544-97-8
特性
化学式 Zn(CH3)2
モル質量 95.478 g/mol
外観 無色の液体
匂い ニンニク様臭気
融点

-29.6℃

沸点

46℃

への溶解度 激しく反応する。
溶解度 芳香族炭化水素脂肪族飽和炭化水素に任意の割合で溶解。
危険性
発火点 常温で自然発火
関連する物質
関連物質 ジエチル亜鉛
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジメチル亜鉛(ジメチルあえん、: dimethylzinc)は化学式Zn(CH3)2で表される有機亜鉛化合物

性質

亜鉛ヨウ化メチルを加熱することにより得られる。

3 Zn   + 2 CH 3 I Zn ( CH 3 ) 2   + ZnI 2 {\displaystyle {\ce {3Zn\ + 2CH3I -> Zn(CH3)2\ + ZnI2}}}

ニンニク様の不快な臭気がある。空気中で自然発火する性質があり、アルカンに可溶であることからヘキサンの溶液として販売される。ジエチル亜鉛とともに、有機合成化学において重要な役割を持つ。

歴史

1849年フィリップ大学マールブルクで、エドワード・フランクランドロベルト・ブンゼンにより初めて合成された。亜鉛とヨウ化メチルを密閉容器内で加熱したが、容器が破損した[1]。その後も実験室レベルでは、銅の化合物を使うようになった他は合成法に大きな変化はない。ジメチル亜鉛は、有機金属化合物メチル基を与える用途で長年使われてきたが、グリニャール試薬が開発されると多くが取って代わられた。

安全性

との接触により爆発的に反応し、メタン等の可燃性炭化水素を生じることから日本の消防法では危険物第3類に分類される。空気に触れると自然発火するが不活性気体中では安定しており、衝撃に対しても安定している。水生生物に対しては猛毒である[2]

脚注

  1. ^ E. Frankland (1849). “Notiz über eine neue Reihe organischer Körper, welche Metalle, Phosphor u. s. w. enthalten”. Liebig's Annalen der Chemie und Pharmacie 71 (2): 213–216. doi:10.1002/jlac.18490710206. 
  2. ^ 製品安全データシート (PDF)宇部興産
Zn(I)
  • Zn2Cl2
有機亜鉛(I)化合物
  • Zn2(C5(CH3)5)2
Zn(II)
  • Zn3As2
  • ZnBr2
  • ZnCl2
  • Zn(ClO3)2
  • Zn(ClO4)2
  • Zn(CN)2
  • ZnCO3
  • ZnCrO4
  • ZnF2
  • ZnH2
  • ZnI2
  • Zn(MnO4)2
  • ZnMoO4
  • Zn3N2
  • Zn(NH2)2
  • Zn(NO3)2
  • ZnO
  • ZnO2
  • Zn(OH)2
  • Zn3P2
  • Zn2P2O7
  • Zn3(PO4)2
  • ZnS
  • ZnSeO4
  • ZnSO4
  • ZnSb
  • ZnSe
  • ZnTe
  • ZnTiO3
有機亜鉛(II)化合物
  • Zn(CH3)2
  • Zn(C2H5)2
  • Zn(C6H5)2
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