ショットキー欠陥

NaCl構造内のショットキー欠陥

ショットキー欠陥(ショットキーけっかん、英語: schottky defect[1])とは、結晶中において、格子点イオンが結晶の外に出た後に空孔が残った欠陥のこと。アルカリハライド結晶(NaClRbICsI など)にて観察される。ショットキー欠陥の生成により、密度が変化するが、電気伝導性は増加しない。その名はヴァルター・ショットキーにちなむ。

ショットキー欠陥の欠陥密度の式表現は、熱力学で知られているボルツマン分布や、より正確には統計力学のフェルミ・ディラック分布で表現される。 具体的に、ボルツマン分布で近似した場合、ショットキー欠陥の密度式は、以下のような式になる。

C = A exp ( E f k T ) {\displaystyle C=A\exp({\frac {-E_{f}}{kT}})}

ただし

C {\displaystyle C} :欠陥密度

A {\displaystyle A} :比例定数

E f {\displaystyle E_{f}} :空孔の形成に必要なエネルギー。(一般に、物質の融点が低いほど、空孔形成エネルギーは小さい。)

k {\displaystyle k} :ボルツマン係数

T {\displaystyle T} :絶対温度。(ケルビン単位。)

である。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 文部省日本物理学会編『学術用語集 物理学編』培風館、1990年。ISBN 4-563-02195-4。http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

関連項目

  • 表示
  • 編集