うつぶし |
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著者 | 隼見果奈 |
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発行日 | 2012年12月10日 |
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発行元 | 筑摩書房 |
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ジャンル | 小説 |
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国 | 日本 |
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言語 | 日本語 |
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形態 | 四六判上製本 |
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ページ数 | 192 |
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公式サイト | うつぶし 単行本 筑摩書房 |
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コード | ISBN 978-4-480-80446-4 |
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『うつぶし』は、日本の小説家隼見果奈による小説である。
2012年、筑摩書房と東京都三鷹市が共催する第28回太宰治賞を受賞する[1]。同年、書き下ろし短編『海とも夜とも違う青』を併録した単行本『うつぶし』が筑摩書房より刊行される[2]。装幀は、緒方修一による。装画は、コンドウカヨによる。
小説家の小川洋子は、「人間としての他者とのつながりは弱い主人公が、鶏との密接な関係の中で、鶏の凶暴さに影響されて自分の暴力の予感におびえるという設定がユニークで面白いと思った」[4]と評価している。詩人の荒川洋治は、「文学的な密度、完成度は高い」「養鶏場での鶏との暮らしや労働現場が緻密に鋭く描かれている」[4]と評価している。
あらすじ
- 『うつぶし』
- 雛子の父は、オグシチャボというニワトリを育てる〈ミドリ養鶏場〉を築いた。雛子はそこで育ち、高校を卒業してからは、その養鶏場で働いている。半年ほど前に、山岸という中年の男性が、「オグシチャボの養鶏がしたい」と訪ねてきた。下腹部が膨らんでおり、「子どもが産まれる」と話す山岸は、見習いとして養鶏場で働くことになる。
- 『海とも夜とも違う青』
- 写真部のサークルに所属している女子大学生の早耶子は、教職課程をとっており、桐野という女性に説得されて、彼女の息子で不登校児童である詩朗の家庭教師として働くことになる。詩朗は、青い身体をもつ〈ツヴェルギン〉という名前の獣を飼っていた。
主な登場人物
- 『うつぶし』
-
- 雛子
- 25歳。養鶏場に勤めている。
- 山岸
- 中年男性。
- 『海とも夜とも違う青』
-
- 詩朗
- 不登校児童。
- 早耶子
- 女子大学生。
- 桐野
- 詩朗の母。
脚注
[脚注の使い方]
- ^ “太宰治賞に隼見果奈さん”. 日本経済新聞. (2012年5月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG08044_Y2A500C1CR8000/ 2019年2月11日閲覧。
- ^ “うつぶし 単行本”. 筑摩書房. 2019年2月11日閲覧。
- ^ a b “第28回太宰治賞決定 隼見果奈(はやみ かな)さん「うつぶし」”. 三鷹市 (2012年5月20日). 2019年2月11日閲覧。
参考文献
第28回太宰治賞 |
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筑摩書房単独主催(第1回 - 第14回) |
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第1回 - 第10回 | - 第1回 受賞作なし
- 第2回 吉村昭 「星への旅」
- 第3回 一色次郎 「青幻記」
- 第4回 三浦浩樹 「月の道化者」
- 第5回 秦恒平 「清経入水」
- 第6回 海堂昌之 「背後の時間」
- 第7回 三神真彦 「流刑地にて」
- 第8回 受賞作なし
- 第9回 宮尾登美子 「櫂」
- 第10回 朝海さち子 「谷間の生霊たち」
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第11回 - 第14回 | - 第11回 不二今日子 「花捨て」
- 第12回 村山富士子 「越後瞽女唄冬の旅」
- 第13回 宮本輝 「泥の河」
- 第14回 福本武久 「電車ごっこ停戦」
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三鷹市・筑摩書房共催(第15回 - ) |
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第15回 - 第25回 | - 第15回 冴桐由 「最後の歌を越えて」
- 第16回 辻内智貴 「多輝子ちゃん」
- 第17回 小島小陸 「一滴の嵐」
- 第18回 小川内初枝 「緊縛」
- 第19回 小林ゆり 「たゆたふ蝋燭」
- 第20回 志賀泉 「指の音楽」
- 第21回 川本晶子 「刺繍」、津村記久生 「マンイーター」
- 第22回 栗林佐知 「峠の春は」
- 第23回 瀬川深 「mit Tuba」
- 第24回 永瀬直矢 「ロミオとインディアナ」
- 第25回 柄沢昌幸 「だむかん」
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第26回 - 第35回 | |
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第36回 - 第45回 | - 第36回 八木詠美 「空芯手帳」
- 第37回 山家望 「birth」
- 第38回 野々井透 「棕櫚を燃やす」
- 第39回 西村亨 「自分以外全員他人」
- 第40回 市街地ギャオ 「メメントラブドール」
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